日ナレの入所面接の時期も過ぎ、この春から晴れて入所だ!という方もいらっしゃるかもしれません。
皆さんは、どちらのクラスを受けましたか?基礎科?それとも本科?
このクラスは4月を境に代わり、同じクラスのままなのか、それとも上のクラスに変わるのかが決められるタイミングがあるんです。
それが、日ナレの「進級審査」
いきなり進級審査と言われても、どんなものなのかはよくわかりませんよね。
というわけで今回は、日ナレ生にとっての一大イベント・進級審査について詳しくお話をしていきたいと思います。
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日ナレの進級審査とは?
日本ナレーション演技研究所、通称「日ナレ」には、年に1回「進級審査」というものがあります。
進級審査とは、その名の通り進級するための審査。基礎科だったら本科に、本科だったら研修科に上がるための審査のことです。レッスン生たちにとっては、1年でいちばん緊張する瞬間ですね。
今回は、日ナレの進級審査ではどんなことをするのか、合格するコツなどをお伝えしていきます。
日ナレの進級審査の内容
進級審査の内容は、自分がどのクラスにいるかによって変わってきます。
ここでは、元日ナレ生の筆者が実際に受けてきた審査の経験談をもとに、お話ししていこうと思います。
事前課題と当日課題について
日ナレの進級審査には、「事前課題」と「当日課題」の二種類があります。
事前課題とはその名の通り、進級審査当日より前に渡される課題のことです。だいたい、進級審査より1ヶ月ほど前に渡されます。
どのような課題が出されるかは年によってバラバラですが、多くの場合は自己PRと声劇です。
ここでの注意点は、自己PRも声劇も、本番ではカンペを見ずに表現しなくてはならないこと。
PR文や台本は、進級審査に臨む前にすべて暗唱していなければなりませんので気をつけてくださいね。
そして当日課題は、進級審査当日に渡される課題になります。こちらも年によって内容がバラバラのようですが、多くは短いセリフを読むことになるでしょう。
「こういう演技をしよう」と事前に準備をすることができないため、自分の番が来るまでの短い時間で演技を完成させなければなりません。
自分の番を待っている間に、イメージトレーニングをすると良いでしょう。
クラスごとの進級審査の内容
それでは、元日ナレ生だった筆者はどのような審査を受けてきたのかをご紹介したいと思います。
筆者は「基礎科から本科への審査」「本科から研修科への審査」を経験しています。
本科から研修科への審査は、情勢の関係もありイレギュラーな形式だったので、そちらも合わせてご紹介していきます。
基礎科から本科への審査
まず、事前課題は自己PRと声劇でした。審査の会場は、いつもレッスンを受けている教室です。
声劇の台本にはエクスクラメーションマーク(!)やクエスチョンマーク(?)がなく、文章の区切りはすべて句読点で表されています。そのため、どのように強弱をつけるか、どのように間を取るかなどはすべて自分で考える必要があり、その点に苦労した覚えがあります。
当日課題は早口言葉だったり、短いセリフだったりしました。セリフの内容も何種類かパターンがあり、全員が同じ課題ではありませんでした。
苦手な人が多いであろう笑いの演技もあったので、もっと笑いの演技を練習しておけばよかった…と後悔しました。
しかし、無事に審査には合格。私は晴れて本科へと上がることができたのでした。
本科から研修科への審査
この年の進級審査は、日ナレの公式アプリを使ってオンラインで行いました。というのも、ステイホームが重視される情勢だったからです。
自宅でスマホを使って課題を収録し、アプリを介してデータを提出する、というものでした。そのため当日課題はなく、事前課題のみでの審査となりました。
事前課題として出されたのは、ひとつめは前年度と同じく自己PR。そしてふたつめは「好きなキャラクターの好きなセリフを自分なりに表現しろ」というものでした。
私が選んだのは、某国民的RPGの女性キャラクター。このゲームはもともとキャラクターボイスなしで発売されたものの、後の移植版でボイスが追加されました。
私はボイスなしのほうでプレイしていたので、後に追加されたボイスのイメージに引っ張られることなく、自分の中のイメージで演技ができたのではないかと思います。
本科から研修科への合格率は、基礎科から本科への合格率に比べて低いと言われていたため、正直合格は難しいかな…なんて思っていました。
しかしその後届いたのは、研修科への合格通知。まさか合格できるとは思っていなかったので、本当にビックリしました。
日ナレの進級審査の合格率は?
進級審査の合格率は、どれだけ調べても具体的な数値が出てきません。
しかし、私がクラスの人たちに聞いて回ったり、日ナレ関連の情報をネットで調べたりしてみた結果、だいたいの確率は把握することができましたのでご紹介いたします。
まず、基礎科から本科への進級審査の合格率は80~90%くらいかと思います。けっこう高いように思えますね。
詳しくは後述しますが、事前課題をしっかりと暗唱して自分なりに表現できていたり、大きな声で挨拶できていたりなどの基本的なことができていれば、合格は難しくないのではないでしょうか。
次に、本科から研修科への合格率は50~60%くらいかと思います。基礎科から本科への進級審査と比べると、少し合格率が下がりましたね。
先述のとおり私はこの審査に合格したのですが、一緒に受けていた夫は研修科に落ちてしまいました。
夫はセリフの暗唱や声の大きさ等は問題なかったので、やはり研修科へ上がるにはある程度レベルの高い演技が必要とされるのかもしれません。
日ナレの進級審査の結果はいつわかるの?
進級審査の結果は、高校や大学受験の結果発表のように、どこかに張り出されるわけではありません。
進級審査を受けてから2ヶ月ほど後に、日ナレから封書が届きます。その中に次年度のクラスの案内が同封されていて、次のクラスの表記があれば合格、現在と同じクラスの表記があれば不合格となります。
たとえば現在基礎科にいる場合、次年度のクラス案内に「本科 1Eクラス」などと書かれていれば合格です。逆に「基礎科 1Bクラス」などと書かれている場合は不合格です。
日ナレの進級審査は関連オーディションも兼ねている
実は進級審査は、ただ上のクラスに進級するためのものではありません。
声優事務所に所属する人を選ぶためのオーディションに進む人を選考するという目的も兼ねているんです。
オーディションに進む人には、上のクラスへの合格通知とは別にオーディションのお知らせが送られてくるそうです。
また、クラスの中で誰が内部オーディションに進むことになったかというのは誰にも知らされません。
実際に筆者が基礎科にいた頃、クラスからひとり預かり所属となった人がいましたが、そのことはクラスのメンバーで集まってお別れ会をしたときに初めて知りました。
このように、誰が関連オーディションに進むことになったか、そして結果がどうだったのかは、講師や事務局側からは一切知らされないのです。
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日ナレの進級審査に合格するには
ここまでは、日ナレの進級審査ではどんなことをするか、合格率はどれくらいか、といったことをお話ししてきました。
ここからは実際に、進級審査に合格するにはどうしたらいいのか、ということについてお話しをしていきます。
「初めての進級審査、何をしたらいいのかまったくわからない!」という方も、こちらを読んで対策してみてくださいね。
第一印象が何よりも大事!挨拶はハキハキと元気よく
進級審査だけではなく、声優としてお仕事をしていくときに何よりも大切なのは「元気な挨拶」です。
もちろん、緊張して声が小さくなってしまうこともあるかもしれない。だけど、大きな声で挨拶をすることはすごく大事なんですよ。
ハキハキと元気よく挨拶をすることで、その場にいる人は「ああ、この人はちゃんと挨拶ができてしっかりしている人なんだな」と、こちらに対していい印象を抱いてくれます。
逆にボソボソと小さな声で挨拶をすると、「この人は嫌々ここに来てるのかな?」「こちらのことをよく思っていないのかな?」と、相手を不安にさせてしまいます。
なので、進級審査の演技を始める前は必ず大きな声で、聞き取りやすい発声で挨拶をするようにしてみてください。
最初に大きな声を出してしまえば、その後の演技も堂々と行うことができるようになるはずですよ。
セリフが飛んでも焦らない!落ち着いてゆっくり考えよう
どれだけ練習してきたとしても、本番では何が起こるかわからないもの。
あれだけ一生懸命覚えたセリフが、本番になった途端に頭からポンっと抜けてしまうこともあるかもしれません。
ただでさえ緊張しているのに、セリフをど忘れしてしまったとなれば大パニックになってしまいますよね。
しかし、そんなときは焦らず深呼吸してみましょう。何日もかけて頭に叩き込んだセリフは、知らず知らずのうちに身体に染みついているです。
そして、飛んでしまったセリフの少し前から、もう一度演技をしてみてください。このとき、不安から声が小さくならないように気をつけてくださいね。
もちろん100%思い出せるとは限りませんが、今度はセリフがちゃんと繋がるかもしれませんよ。
一夜漬けで練習をせず、課題を渡されたその日から練習を始めよう
これは先ほどのお話と繋がるのですが、事前課題は渡されたその日から読み込んで、時間を見つけて練習するようにしましょう。
先ほどは「何日もかけて頭に叩き込んだセリフは、知らず知らずのうちに身体に染みついている」と書きました。
逆に言えば、前日の夜や当日の朝に慌てて覚えようとすると、ちゃんと覚えたつもりでもしっかりと記憶されていない場合が多いのです。
筆者が基礎科から本科へと上がる進級審査を受けた際、前の順番の人がしっかりとセリフを覚え切れておらず、何度も同じところで詰まっていました。
彼は当日の朝に「やばい、全然覚えていない」と笑っていて、本番前に必死に読み込んでいたみたいなのですが、それが仇となってしまったようです。
後に聞いた話では、彼は本科に上がることができず、次年度も基礎科でレッスンを受けることになったそうです。
皆さんはこうならないためにも、毎日少しずつ練習しておきましょう。覚えたセリフを間違えずに言うのが目的ではなく、自分なりの表現を審査員に見せるのが目的ですからね。
最後に
いかがでしたか?進級審査の内容については経験者じゃないとわからないため、初年度はどのような対策をしたら良いのか不安に思う方も多いでしょう。
しかし、これまでにレッスンで学んできたことを忘れずに準備をしっかりと整えれば、その成果を発揮することができるはずです。
日ナレ生にとって、進級審査は一大イベント。この記事が、少しでも皆様のお役に立てましたら幸いです。
高校生の頃に声優に憧れ、日ナレを卒業後、大手声優事務所の声優として活動中。これまでアニメの声優やナレーションなど様々な仕事を経験。