司法試験、予備試験における各予備校の合格率はどのくらいなのでしょうか?
これから司法試験や予備試験の予備校を選ぼうと悩んでいる人にとっては非常に気になるところです。
今回は僕が各予備校の合格実績や合格率を調べた結果について紹介していこうと思います。
司法試験や予備試験における各予備校の合格率
各予備校の合格実績
まず各予備校の合格率についてですが、これは各予備校で正確な値は公表していないので不明です。
ただし、受講生の何人が合格したかという人数については公表している予備校があるのでそちらを中心に紹介していきたいと思います。
予備校 | 予備試験合格者数 | 司法試験合格者数 |
伊藤塾 | 2020年度360名 2019年度376名 |
2020年度1234名 2019年度1122名 |
資格スクエア | 2019年度147人 | 不明 |
アガルート | 不明 | 2020年度650名 2019年度523名 |
LEC | 不明 | 1993年~2018年のLEC入門講座出身合格者5,134名 |
スタディング | 合格者の声5名 | |
辰巳法律研究所 | 非公表 | |
資格スクール大栄 | ||
Wセミナー |
上記が各予備校の合格実績について公表されているものの全てです。
積極的に合格実績を公表しているところもあれば、非公表となっているところもあります。
基本的に積極的に公表しているところはやはりどこもそれなりに高い合格実績となっています。
一方で非公表としているところはあまり人気のない予備校が多いため、高い合格実績がないことが予想されます。
ただし辰巳法律研究所は老舗の予備校なのでそれなりに合格実績もあると思われますが、非公表となっています。
合格実績に基づく分析・所感
伊藤塾
まず合格人数が圧倒的に多い伊藤塾。
2020年度の予備試験合格者が442名でありそのうちの360名が伊藤塾出身者です。
また司法試験においても2020年度の司法試験合格者が1450名であり1234名が伊藤塾です。
ほとんどが伊藤塾って感じですが、ここで注目しなければいけないのは合格率とカリキュラムの期間です。
伊藤塾はやはり業界最大手なだけあって受講している生徒自体も他の予備校に比べ圧倒的に多いので、合格者数が多くなるのも当然と言えます。
なので「合格率」において高いのかどうかは不明です。
そしてもう一つがカリキュラムの期間です。
伊藤塾は全カリキュラムの消化期間が2年間となっていますが、資格スクエアやアガルートアカデミーのように最近人気の予備校では短期合格を目指したカリキュラム消化期間が1年の予備校が増えてきています。
伊藤塾は細かい論点までもれなく勉強するため、カリキュラムの消化に時間はかかりますが全てやり切れば合格可能性が上がります。
しかも伊藤塾は昔からある大手予備校のため、伊藤塾出身者の母数は他の新しい予備校に比べ圧倒的に多いはずです。
つまり2020年度の司法試験合格者が1234名いますが、伊藤塾はカリキュラム消化の期間が他の予備校に比べ長いことを考えると、他の予備校の合格者よりも長い年数がかかって合格している人が多い可能性があります。
つまり合格までにかかった平均学習期間を考えると、伊藤塾はカリキュラム消化期間が長い分他の予備校より長い可能性があります。
資格スクエア
次に資格スクエアです。
資格スクエアは2013年設立の新しい予備校で僕が実際に受講した予備校です。
合格まで最短で学習する徹底的に効率化されたカリキュラムで、近年急速に合格者数を伸ばしておりまだ新しい予備校ながらも2019年度の予備試験では147名の合格者を出しています。
特筆すべきは価格の安さと徹底的に効率化したカリキュラムです。
伊藤塾は約130万円、LECは約100万円と大手の予備校は受講するのに100万円以上かかるのに対し、資格スクエアはサポートなしのプランであれば50万円ほどで受講ができます。
安さの理由はオンライン講座に特化している予備校なので人件費がかからないことや新しい予備校のため大手に対抗するために安くして生徒を集めているのだと思われますが、大手の半額以下で受講できるのは非常にありがたいことです。
また安いからといって内容の部分で大手に劣るかと言えば全くそんなことはなく、講義を担当している講師は高野先生や吉野先生といった元LECや伊藤塾にいたベテランの超人気講師の方なので、非常にわかりやすく質の高い講義を受けることができます。
そしてカリキュラムにおいては試験対策に特化し重要論点に絞った超効率的なカリキュラムとなっており、1年で全科目を終えるカリキュラムとなっています。
カリキュラムの内容などはここでは詳しく触れませんが、伊藤塾が細かい論点まで隅々と学習し2年かけて1周するのに対し資格スクエアは重要論点を中心に試験対策に特化した1年で終えるカリキュラムとなっています。
1年ということはその分勉強量が足りなくなるのでは?と思うかもしれませんがそうではありません。
試験の合格に必要な重要論点のみをやるのが資格スクエアで、伊藤塾はそれほど重要ではない細かい論点まで全部学習します。
論文試験の合格点が大体50点だとして、70点を目指すのが資格スクエア、100点満点を目指すのが伊藤塾、というイメージを持っておいてもらえれば十分です。
よって資格スクエアは合格数では大手の伊藤塾に劣りますが、新しい予備校であり受講生自体が伊藤塾に比べ少ないことやカリキュラム消化の期間が短いことを踏まえると、合格期間や合格率という視点で見たときに資格スクエアの方が勝っている可能性が十分にあります。
資格スクエアを受講した感想
その他の予備校
その他の予備校に関しては予備試験の合格者のデータなどを公表しておりません。
合格者のデータをあえて公表していないのは他の予備校に比べて実績が少ないことが予想されます。
アガルートアカデミーは予備試験のデータは不明ですが、司法試験については2020年度は650名と高い実績を出しています。
アガルートについても新しい予備校で近年実績を着実に伸ばしています。
LECについては予備試験の合格実績は不明ですが司法試験については「1993年~2018年のLEC入門講座出身合格者5,134名」というなんともわかりずらい実績を公表しています。
スタディングについては合格者の声が5名載っているだけでそれ以外の実績は一切不明です。
周りでもスタディングを使って合格したという話は一切聞いたことがないので、まだ合格実績はほとんどないことが予想されます。
それ以外の予備校については合格実績は非公表なので不明です。
予備校を選ぶ際、非公表のところは基本避けた方が無難ですが、辰巳法律研究所は老舗の予備校であり司法試験業界でも伝統ある予備校です。
しかし近年は資格スクエアなど新しい予備校が安価な受講料と合格実績をどんどん伸ばしており、辰巳法律研究所は押され気味。
校舎を一部廃校したりと縮小傾向にあるようです。
司法試験や予備試験におけるおすすめの予備校は?
これらを踏まえて一番おすすめの予備校は資格スクエアです。
理由としてはこれまで述べてきた通りですが、価格の安さと短期合格を目指した効率的なカリキュラムです。
合格実績では大手の伊藤塾には及びませんが、伊藤塾は130万円の受講料がかかるのに対し資格スクエアは50万円ほどで受講ができます。
また伊藤塾は細かい論点の学習含めカリキュラム消化に2年かかるのに対し資格スクエアは1年なので、合格までの期間が短縮できます。
ちなみに、カリキュラムが短い分勉強不足になるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。
ここでは詳しくは説明しませんが、簡単に説明すると合格するのに必要な重要論点のみ学習するのが資格スクエアで、合格するうえで必ずしも必要ではない細かい論点まで全て学習するのが伊藤塾です。
論文試験の合格点が大体50点だとして、70点を目指すのが資格スクエア、100点満点を目指すのが伊藤塾、というイメージを持っておいてもらえれば十分です。
おすすめの予備校ランキング
まとめ:合格実績を公表している予備校から選ぶべき
結論はこれです。
合格実績をしっかり公表しているということはそれだけ結果に自信があるということです。
積極的に公表しているのは伊藤塾、資格スクエア、アガルートアカデミーなどです。
僕の周りの合格している人でも、これらの予備校を選んでいる人がほとんどです。
あとは料金なども考慮し自分に合った予備校を選択していきましょう。

司法予備試験→司法試験に合格。現在は法律事務所にて新人弁護士として活動してます。僕が通っていた司法試験予備校について紹介していきます。